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田坂耳鼻咽喉科
〒654-0103
神戸市須磨区
  白川台6-23-2

Tel 078-793-6872
www.tasaka-ent.com












































咽喉の病気


ここでは、口腔や咽頭・喉頭の症状と病気について簡単な解説をしていますが、あくまで私見であり、病気には様々な側面があって、医師一人一人にはまた独自の経験と知識に裏打ちされた様々な対応や治療のやり方があります。かかりつけの先生とよく相談されることをお勧めいたします。
正常咽頭 写真

症状と病気


 咽頭痛(のどが痛い)

 風邪の初期症状で、のどがかさかさした感じや,違和感からやがて痛みに発展してくるのは急性咽頭炎。 つばを飲んだり食事の時にひどい痛みをのどの両側に感じ、高熱が出てくるのは急性扁桃炎、ここで放置し、無理を重ねると、やがて扁桃周囲炎になり、口が痛くてあけにくくなる。 ここまではなんとか診療所レベルでも治療できますが、扁桃の周りに膿がにじみ出て、含み声になり、高熱と完全な開口障害が起こると、これは扁桃周囲膿瘍といって、穿刺や切開による排膿と同時に強力な抗生剤治療が必要になるので、入院治療が望ましくなります。 扁桃が腫れて、白い苔のようなものが鏡でも見えるようになったら、要注意。
 いつもののどの痛みの場所とは少し違い、のどの奥で嚥下時に猛烈な痛みを感じ、声もおかしくなっている、食事もままならないくらい痛いのに、医者(耳鼻科以外)に行っても、たいしたことはないといわれ鎮痛薬を処方されるのみで、最後に重大な結果をもたらす病気があります。 急性喉頭蓋炎です。 
  喉頭蓋とは、その名の通り嚥下の際に気管にものが入らないように、気道の入り口の喉頭に蓋をする器官ですが、ここが炎症を起こすと、前述の症状とともに最悪の場合窒息をもたらします。 耳鼻咽喉科領域の炎症性疾患で最も致死率が高く、毎年のように疾患の見逃しによる死亡で訴訟が起こされる(他科)疾患です。 
  私はこれを見つけるとぞっとします。 入院待ちの点滴の最中に窒息したり、病棟に向かうエレベーターの中で窒息を起こして、いずれも、緊急輪状甲状膜切開術、緊急気管切開術(ともに気管に穴をあけて、気道を一時的に確保する手術)を行い救命し得た時の緊張感が甦るからです。 
  耳鼻科医は喉頭鏡で喉頭蓋や、声帯、食道入口部を観察しますので、見逃すことはまずありませんが、他科の先生では無理です。 治療開始から8時間がやまで、主治医はいつでも気管切開ができる準備をして待機しなければなりません。  頻度はそう多くはない病気ですが、年に何人かは遭遇します。 
  ポイントはいつもののどの痛みとは場所が違う、痛みもひどく、声もおかしく、含み声や声がれを伴うことが多い という点です。  この場合は他科でたいしたことはないと言われても、耳鼻科医に相談されることをお勧めします。 TVの番組の台詞ではないですが、放っておくと大変なことになる疾患です。

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 咽喉頭異常感 (のどの違和感、異物感など)

 この項は解説というより私の感想という色合いになりました。 それほどにまだまだ分からない点が多い症状だと考えています。

  のどがいがいがする。 何か異物があるような感じがある。 なんとなくつまった感じがする。 このような症状を訴えて来院される患者さんは多くいます。 正確な原因は未だ不明といわざるを得ませんが、かつて咽喉頭異常感症研究会という学会があったことでも分かるように、局所的要因、精神的要因、全身的要因などが複雑に絡み合っているというのが現況でしょうか。

  最近になって、披裂部粘膜(食道と気管との境界)のむくみや赤みがある場合は、逆流性食道炎が原因という説が急速に広まって、咽喉頭酸逆流症(LPRD)なる病名も生まれました。 これを正確に診断するためには胃カメラで、胃・食道接合部付近が胃酸で炎症を起こしていることを証明する必要がありますが、耳鼻科医がとりあえず試みる方法として、PPI(胃酸を弱める薬)を2週間ほど飲んでもらって症状の改善がみられるかどうかを調べる治療的診断を推奨する先生もいます。 
 このため全国の耳鼻科医院で胃潰瘍治療薬が一斉に使われ出したという、奇妙な現象が起きています。 しかし、明らかに胸焼けやげっぷなどがひどい方は別として、保険医療の観点からは問題を含むやり方だと思います。 

  当院では咽喉頭酸逆流症も念頭に置きながら、まずは慢性副鼻腔炎などで常に後鼻漏がのどを刺激していないか、慢性咽頭炎舌根扁桃肥大などはないか、そしてなによりも喉頭癌や下咽頭癌などの重篤な病気が隠れていないかを徹底的に調べることにしています。 全身的な要因としては、自律神経失調症を示唆するような他の症状がないか、貧血気味ではないかなどを問診で留意します。 精神的要因としては、うつ病や極端な癌不安症(身内をのどの癌で亡くされたような方は特に)などがあげられます。 
  一旦異常を感じたら、ついついのどに意識がいき、結果的にさらに異常感を増大させ不安に駆られる悪循環が続きますので、問診や詳細な検査の結果 「今の所悪性な病気は見あたりませんよ」と のどを供覧して説明するだけで、症状が消失する患者さんも多くおられます。

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     嗄声 (声がかすれる、声が出にくい)


この項目も文字だけでは、わかりにくいので実際の病変を写真を見ていただきながら、簡単に紹介いたします。(なお、掲載している写真は、全て私が撮ったもので他からの借用は一切ありません。このホームページで使用しているものは全て同様です。)

正常な声帯

 写真のV字型をした白い帯が文字通り声の帯、声帯です。 よくバイオリンの弦のようだとたとえられます。ぴんと張った実に美しい構造をしています。声を出すときにはこれが真ん中でぴたっと接触して、呼気によって受動的に振動して、声が出るわけです。決して積極的に動くのではありません。  上方左右に見える深い溝が食道入口部、声帯と食道入り口部を境界する部が、披裂部と呼ばれる部分です。前述の項を参照ください。これが、正常な喉頭・下咽頭の所見です。
  声帯の長さは男性平均20ミリ、女性平均15ミリですから、器官としては非常に微細ということを念頭に置いておいてください。(以下はこの声帯と比較して見て下さい)
正常喉頭写真

 最も頻度が多く一般的な嗄声(声がれ)は、風邪をひいているときなどに声を酷使したり、咳や咳払いを続けていると生じるもので、急性喉頭炎です。 声帯は赤く腫れ、喉頭披裂部にもむくみや赤みがみられます。この場合は、声の安静(沈黙療法)、乾燥した場所での声の酷使、激しい咳や咳払いの抑制が必要です。 声を出すということは声帯同士が接触して、無理に振動する(させられる)わけですから、基本は、声を使わないことです。この状態で無理な発声を続けると、慢性喉頭炎や、声帯ポリープにつながることもありますので、注意してください。 他にも炎症では、結核や、ジフテリアがありますが、まれです。 急性喉頭炎写真

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 急性喉頭炎から、炎症が進行して、声帯の下まで赤く腫れ、空気の通り道が狭くなっています。 声が出ない状態(失声)とともに、犬が吠えるような、動物的な太い咳が出てきます。 声門下喉頭炎です。 小児に多い病気で、声帯よりも下の声門下粘膜が腫れて、犬吠様咳漱が主症状となるなのは仮性クループと呼ばれています(声のかすれはあまり目立ちません)。  成人では、写真の様に劇症で、呼吸困難、場合によっては窒息状況に陥ることもあります。ここまでになると前述の急性喉頭蓋炎の様な注意が必要になります。 声門下喉頭炎写真

急性喉頭蓋炎

前述の最悪窒息を起こす疾患です。上段左は正常。それ以降は
悪化の度合いが激しく、下段右
では、摂食不可、呼吸困難で、
すぐに、緊急入院、気管切開の
後、ステロイドの大量投与にいた
りました
正常喉頭蓋写真 急性喉頭蓋炎写真1
急性喉頭蓋炎写真2 急性喉頭蓋炎写真3 急性喉頭蓋炎写真4

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喉頭ポリープ (声帯ポリープ)
   (正常な声帯と見比べてください)
 成因は不明ですが血管破綻説(血まめ)が有力です。声をよく使う人や力んだ発声をする人に多く、昔ほど張りのある声が出なくなった、声を出した後にのどに疲れを感じる方は要注意。 治療は基本的には手術ですが、発声法を改善しない限り再発しやすいとされています。
声帯ポリープ1写真 声帯ポリープ2写真

 保育師さんや学校の先生の職業病ともいえるものが、左の声帯結節。声帯の前方3分の2に丘のように隆起したものが両側にみられます。元々はドイツ語でゼンゲルクノッチヘン、英語でsinger's nodule。 これを邦訳すると優雅な病名「謡人結節」となりました。指にできるペンだこみたいなもので、声の酷使がもたらすものです。声変わり前の小学生の慢性の嗄声もこれで、学童結節
 バーのママさんのように、喧噪の中、アルコールを飲み、煙草の猛煙の中で大声で会話する人の嗄声が真ん中の浮腫状声帯ポリープ様声帯
。声帯がむくんで、雑な声になります。 
 全身麻酔のあとや、激しい力み声の方にみられるのが右の声帯肉芽腫。両側の声帯が一番激しくぶつかり合う場所で声帯後方の声帯突起部にみられます。
 これらはいずれも声の酷使が最大の原因ですので、手術で一時的に改善しても、発声法や声の酷使をやめなければ再発しやすく、治療に難渋する病気ではあります。
声帯結節写真 ポリープ様声帯写真 声帯肉芽腫写真

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喉頭癌 先天性喉頭横隔膜症 
 私が研修医の時、先輩から嫌と言うほどたたき込まれたこと。「癌年齢に達した喫煙男性が、風邪もひいていないのに10日以上声がかすれたらまず喉頭癌を疑え!」これは今でも当然のことで、喉頭癌は数多く見つけ治療し、開院してからは紹介してきました。
左と中央は初期癌で白くごつごつした部分が癌。右は中等度の喉頭癌です。左側二つは、放射線療法やレーザー治療、制がん剤などの治療で治癒。右は手術です。一番左の例を示したのは
天性喉頭横隔膜症があることです。これは先天奇形の一つで、ひどい場合は生直後の手術が必要ですが、軽い場合は高齢に達するまで気づかれずに過ごすこともあります(正常声帯と比較のこと)。  癌は男性が女性の10倍ほど多く、肺がんと同様喫煙と密接に関連するされていますので、前述の先輩の教えに該当される男性は、必ず喉頭癌の有無をチェックしてもらってください早期発見は声を失うことなく直せます
喉頭癌1・声帯横隔膜症写真 喉頭癌2写真 喉頭癌3写真



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症状と病気、疾患の解説については、今後、日々随時、追加・訂正・改変を
行っていく所存です。手作りですので、いつでも変えていくことができます。


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